○太良町議会議員政治倫理条例

平成25年6月17日

条例第20号

(目的)

第1条 この条例は、太良町議会議員(以下「議員」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、議員の政治倫理の確立を図り、もって町民に信頼される公正で開かれた民主的な町政の運営に寄与することを目的とする。

(議員の責務)

第2条 議員は、町民の代表として町政に携わり、安心で安全なまちづくりをはじめ、町民全体の福祉の向上を追求するという自らの責務を深く自覚するとともに、町民の信頼に値する倫理を保持し、その使命の達成に努めなければならない。

2 議員は、法令及び条例を遵守し、公正な職務執行を妨げるいかなる不当な要求にも屈してはならない。

3 議員は、次条又は第6条に反する事実があるとの疑惑を持たれた場合は、自らその疑惑を解明し、その責任を明らかにしなければならない。

(政治倫理基準)

第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 町民の代表として、品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関し、不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 町民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用して、不正に影響力を行使し又は金品を授与しないこと。

(3) 町(町が資本金その他これに準ずるものの4分の1以上を出資(出えんを含む。)している法人を含む。以下同じ。)が行う許可若しくは認可又は請負その他の契約に関し、特定の企業、団体等に有利な取計い又は妨害、排除等の働きかけをしないこと。

(4) 政治活動に関して企業、団体等から寄附を受けないものとし、議員の後援団体についても政治的又は道義的な批判を受けるおそれのある寄附等を受けないこと。

(5) 町が100万円以上助成している団体等の長に就任しないこと。

(6) 町職員の公正な職務執行を妨げ、又は当該職員の権限若しくは地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。

(7) 町職員(嘱託職員及び臨時職員等を含む。以下同じ。)の採用、異動、昇格等人事に関し、不当に関与しないこと。

(誓約書の提出義務)

第4条 議員は、この条例を遵守するための誓約を行うものとし、議員の任期開始の日から30日以内に、誓約書を議長に提出しなければならない。

2 議長は、前項の誓約書を提出しない議員があるときは、その氏名を速やかに公表しなければならない。

(町との請負契約等に関する努力事項)

第5条 議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、自己の配偶者若しくは1親等の血族が取締役等をしている法人等が、町を相手方とする工事若しくは製造の請負、業務の受託又は物品の売買(以下「工事の請負等」という。)を主要な業務とすることとならないよう、当該法人等に対し、工事の請負等の契約締結の自粛を求めるよう努めるものとする。ただし、災害等で緊急を要するときは、この限りでない。

(指定管理者の指定に関する遵守事項)

第6条 議員は、自らが取締役等をしている法人等が、町から法第244条の2第3項に規定する指定管理者(以下「指定管理者」という。)に指定されたときは、当該法人等の取締役等を辞任しなければならない。

(調査請求の手続き)

第7条 議員が第3条又は前条の規定(以下「遵守義務」という。)に違反する疑いがあると認めるときは、町民にあっては議員の選挙権を有する者の50分の1(地方自治法第74条第5項の規定により告示された数とする。)以上の者の連署をもって、議員にあっては2人以上の者の連署をもって、それぞれの代表者(以下「請求代表者」という。)から、議長に対し、議員の遵守義務に違反する行為の存否に関する調査の請求(以下「調査請求」という。)をすることができる。この場合において、請求代表者は、調査請求の対象となる議員(以下「関係議員」という。)の氏名並びに調査請求の対象となる具体的な内容及び該当する政治倫理基準を記載した調査請求書に、関係議員が遵守義務に違反していると疑うに足る事実を証する資料を添付し、議長に提出しなければならない。

2 議長は、前項に規定する調査請求書を受理したときは、その記載内容及び添付書類について確認し、不備があると認めるときは、相当の期間を定めて請求代表者にその補正を命ずることができる。

3 議長は、調査請求が第1項に規定する要件を満たしていないとき、又は請求代表者が前項に規定する補正命令に従わないときは、当該請求を却下するものとする。

4 第1項の議員の選挙権を有する者とは、調査請求をする日において、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第22条の規定により選挙人名簿に登録されている者とする。

(太良町議会議員政治倫理審査会の設置等)

第8条 議長が前条第2項に規定する確認の結果、請求が適正であると認めたときは、太良町議会運営委員会(以下「議会運営委員会」という。)に諮った上で、太良町議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、その審査を求めるものとする。この場合において、関係議員が議会運営委員であるときは、取扱いに係る事案の議事に加わることができない。

2 審査会は、委員5人以内をもって組織し、委員は、議員の中から議長が議会運営委員会に諮って選任する。ただし、関係議員及び調査請求をした議員は、委員となることができない。

3 審査会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選により定める。

4 審査会の組織及び運営については、この条例に定めるもののほか、太良町議会委員会条例(昭和39年太良町条例第37号)及び太良町議会会議規則(昭和39年太良町議会規則第13号)を準用する。

(遵守義務違反の審査等)

第9条 審査会は、前条第1項の規定により付託された事案について、遵守義務に違反する行為の存否及び必要な措置について審査する。

2 審査会は、関係議員に弁明の機会を与えなければならない。

3 審査会が遵守義務違反があると決した場合の関係議員に対する措置は、次のとおりとする。ただし、2以上の措置をあわせて講じるよう決することを妨げない。

(1) 議場における議長の注意

(2) 議場における謝罪文の朗読

(3) 議員が就任している職で議長が別に定める職の辞任勧告

(4) 議員辞職勧告

4 審査会は、遵守義務違反がないと決したときは、関係議員の名誉を回復する措置を、あわせて決定しなければならない。

(関係議員の協力義務)

第10条 関係議員は、審査会から審査に必要な資料の提出又は審査会への出席を求められたときは、これに従うものとする。

2 議長は、関係議員が前項の要求を拒否したとき、又は虚偽の資料の提出若しくは陳述をしたときは、その旨を公表するものとする。

(審査結果の措置等)

第11条 議長は、審査会からの審査結果を書面で報告を受けたときは、当該審査事案の請求をした請求代表者及び関係議員に通知するとともに、その概要を速やかに公表するものとする。この場合において、次項の弁明書の提出があったときは、当該弁明書を併せて公表するものとする。

2 関係議員は、前項の文書を受け取った日から14日以内に限り、弁明書を議長に提出することができる。

(議会の措置及び公表)

第12条 議会は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、関係議員に対して、議会の名誉と品位を守り、町民の信頼を回復するため、必要と認める措置を講じるものとする。

2 議長は、議会が前項の措置を講じたときは、これを公表しなければならない。

(委任)

第13条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成25年9月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に議員である者に対する第4条の規定の適用については、第4条中「議員の任期開始の日」とあるのは、「この条例の施行の日」とする。

3 第6条の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)において現に指定管理者に指定されている法人等(以下「対象法人等」という。)の取締役等をしている議員に対しては、施行日から次の各号のいずれか早い日までの間は、適用しない。

(1) 対象法人等が施行日において受けていた指定管理者としての指定に係る期間が終了した日

(2) 対象法人等の取締役等をしている議員が取締役等でなくなった日

附 則(平成28年9月16日条例第15号)

この条例は、公布の日から施行する。

太良町議会議員政治倫理条例

平成25年6月17日 条例第20号

(平成28年9月16日施行)